理学療法士の臨床実習がスーパーバイザーのせいで何もためになりませんでした②
山田「明日からは8時に来て下さい。職員は8時45分に出勤してくるのでそれまでにデイルームと食堂の掃除をお願いします。あと調理室からデイサービスの利用者さんのお茶のポットを50人分もらって来て下さい。」
実習の流れや個人情報保護に関するオリエンテーションが始まると思いきや、急に業務説明が始まった。
今考えるとあり得ないが、職員よりも早く出勤するためには裏口からキーカードで鍵を開けて入らなければならない。入所されている利用者様がいらっしゃるので誰かしら職員は中にはいるがそれでも一学生が鍵を預かり1人で裏口から入り業務を行うこと自体あり得ない。
それに理学療法士における実習というものは一般企業のインターンシップやアルバイトとは違い学校から施設に対して謝礼を支払い臨床場面や社会のマナーなど勉強させていただく機会を得ている。仕事をしに行っている訳ではなく勉強しに行っているので雑務を任せるべきではない。
小さい雑務はこれだけではない。
会議の議事録のコピーとホチキス留め:内容にもよるが学生に見せるべきではない
駐車場の落ち葉掃き:なんの勉強にもならない
利用者様のご家族や来客へのお茶だし:お茶屋だった祖父の教えがこんなところで役に立つとは思わなかった
調理室から配膳車と利用者様への配膳:これはギリギリ今でもやっているところは多い。
臨床実習で勉強しに行くはずだった私は無給で働く奴隷になってしまった。
次回:介護老人保健施設におけるリハビリの闇と恐怖の見学
理学療法士の臨床実習がスーパーバイザーのせいで何もためになりませんでした①
理学療法士(以下PT)になって7年経つ。最終学年での臨床実習(治療実習)なので約8年前のお話なので比較的最近になる。
昨今、学生へのハラスメントや実習がキツすぎて鬱になってしまったり自ら命を絶つ学生がいることが問題視され、実習の形態も変わりつつある。
最近の動向を見て特に新しいことや経験を言える立場ではないが思い出話ならできる。
今となってはそういった場での笑い話にしているので、こんなことも以前はあったんだなとか自分はもっとキツかった的なことを思ってくれればそれでいい。
臨床実習の1期目(2期に分けて行い、それぞれ違うところで2ヶ月ずつ)に関東にある某介護保険施設に行くことになった。そもそも学校が選択するので自分に選択権はないが一応希望は聞かれる。整形外科を中心とした外来もしくは急性期病棟を希望したはずだったが。
当時は実家に住んでいたが、実習地は自宅から遠い場所になることが多く、自分自身も実家と同じ県内ではあったが2時間以上通学にかかるためマンスリーマンション(〇〇パレス)での生活となった。
実習初日から驚かされることばかりだった。
実習の担当(スーパーバイザー:SV)はPT歴3年目の太った女性(仮名:山田)。学生時代には仲良くなれない体育祭や文化祭で周りの空気を感じることができずに一人でイキって周りがついてこないとこんなに一生懸命やっているのにと泣いたりしてめんどくさいタイプだと感じた。
PTの実習中にはリハビリの職員に対して「〇〇先生」と呼ぶことが多い。最近は「〇〇さん」と呼ぶように見直されているが当時はそれが主流。
山田「利用者さんの前では先生と呼ばないでください。」
私「はい。山田さん」(へー、そうゆうところもあるんだ。)
山田「いえ、スタッフルームやナースステーションでは山田先生と呼ぶようにしてください。」
私「え⁉︎ あ、はい」(は?めんどくさ)
ここに来るまでに2回短期の実習には行っていたため、当時は今までの施設とは違うんだなくらいにしか考えていなかった。